以前、ご紹介した「【湖北省・朝食編】中国の朝食の都?朝ごはんだけでも30種類以上!」に続いて、今回は湖北省のローカル料理を紹介していきたいと思います!
湖北省にどんな知られざる料理があるのか、一緒に見ていきましょう♪
ローカルフード編
小龍虾(ザリガニ)
「小龙虾」なしで湖北省の夏は語れない、
真夏の風物詩といえば「小龙虾」一択です!
暖色系の色は食欲増進の効果があるそうですが、真っ赤な小龙虾は見るからに食欲をそそります。
1番人気の「油焖(スパイスの効いた油蒸し)」味や、辛くて痺れる「麻辣(マーラー)」味、にんにくが効いた「蒜蓉」味、本来の旨みを閉じ込めた「清蒸」味、エスニックな「咖喱(カレー)」味、塩コショウを使ったシンプルな「椒盐」味など、味付けのチョイスがとにかく豊富で色々試したくなります。夏になると、冷製の甘酸っぱい「冰镇」味も人気です!
(ちなみに上の画像にあるこの巨大な食べ比べセットは「董记虾行天下」という小龙虾専門店の名物メニューです、筆者がいつか挑戦してみたいものの一つです。)
食感はほぼ海老で、違いと言えば海老より少し大きめで、殻付きで調理されているのでパサついていないとこでしょうか。
殻付きの状態で出されるので、自分で殻を剥かないといけません。激辛の小龙虾を素手で剥いたら尋常じゃない位皮膚が痛くなるので、ビニール手袋は必ず着けてください。チェーン店であれば必ず置いてあるので店員さんにお願いすれば貰えます。
なぜここまで辛いのか?
湖北省は中国で「四大ボイラー」と呼ばれる程、夏はひたすらに暑いのが特徴です。
中医学では暑いと人間の身体に湿気が溜まって不調をきたすと言われていて、湿気を取り除くために辛いものを食べて汗をかくことが大切だとされています。その理由からか、湖北省は小龙虾のような辛い料理が多く、地元民は辛い味付けが大好きです。
汚くないのか?
綺麗な海で育った新鮮な魚介を小さい頃から食べ親しんでいる日本人からすると、川辺で生息している小龙虾(ザリガニ)は汚いんじゃないの?汚水や泥水の中で育ったって聞くけど大丈夫なの?と不安に思うかもしれません。
湖北省だけでも多くのチェーン店があり、毎日昼晩お客さんが絶え間なく食べに来るので、小龙虾は食用に綺麗なお水で人工繁殖されているのが現状です。近年では湖北省に限らず中国全土で人気に火がつき、2018年度の全国年間生殖量は164万トンに達しました。なので、きちんとしたチェーン店で食べていれば心配することはないでしょう。
おすすめの小龙虾チェーン店トップ3
じゃあどこで食べれば良いの?ということで
そこで、おすすめの小龙虾専門店トップ3をご紹介します!
(※2020年時点の情報なので少し古いですが、2024年に実際に現地に行って最新情報に更新する予定です。お楽しみに!)
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まず1つ目は、近年人気上昇中の「靓靓蒸虾」です!
靓靓蒸虾はザリガニの肉質が良いとの定評があり多くの芸能人にも愛されているお店です。
店名には「蒸虾(蒸しザリガニ)」とありますが、蒸しに限らずさまざまな調理法や味付けがあるので、薄味が好きな方〜濃口好きな方まで楽しめるメニュー展開になっています。
サブメニューの「冷麺」も大人気です。
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続いて2つ目は、「一棠龙虾(YEA LOON)」です!
一棠龙虾(YEA LOON)は高級路線を行っていて、
味は大切だけど、雰囲気も重視している方にはこちらをおすすめします。
内装は古典的な中華風で、他店ではあまり見かけない「孜然(クミン)」や「咸蛋黄(塩卵黄)」など、外国人からしたら独特だけど中国人の心を鷲掴みにする味付けが特徴です。
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3つ目は、古株の「巴厘龙虾(BALI LOBSTER)」です。
5〜6年前は人気NO.1でしたが、新鋭のお店に追い抜かれて現在3位です。
「油焖(スパイスの効いた油蒸し)」味の小龙虾を食べるならここが一番美味しいです!
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中国の料理番組では「小龙虾は社交に最適な食べ物」と評価されていました。
なぜなら、「小龙虾を食べている時はケータイを触れないから」です。笑
真夏の夜は、友達・家族と小龙虾を囲いビールを飲みながら過ごすことが湖北人にとっての至福なひとときです。
鴨脖(鴨の首)
今では中国全土で有名な湖北省名物「鸭脖」。
歴史ある料理かと思いきや、実は湖北省で作り始められたのは1990年代ごろからでした。
中国では非常にポピュラーな料理ですが、日本ではほとんど食べられていない部位なので、見た目からして拒絶反応を起こす方も多いかと思います。
鸭脖は珍味の一種で、お酒のつまみや子供のおやつとして大変人気です。
味付けは辛くて痺れる「麻辣(マーラー)」味がスタンダードで、
食べてるうちは辛くないですが、一旦止まると火を噴くかのような辛さに見舞われるので、もう食べる手を止めるべきか否か訳が分からなくなります(笑)。
真ん中に骨があり、周りのお肉をぐるっと一周食べた終えた後に、骨の中にある骨髄を吸うのが醍醐味です。
首のお肉なので肉付きはそこまで良くないです。お肉を食べると言うよりかは「味を楽しむもの」です
鸭脖は上の画像のように、珍味専門店で買うことが多いです。
鸭脖の他にもレンコン、鳥の足(もみじ)、豆腐、牛肉など幅広く取り揃えているので、複数種類の珍味を合わせ買いすることが多いです。
おすすめはレンコンで、タレが染み込んでいてシャキシャキした食感がクセになります。
鸭脖の専門店と言えば、「周黑鴨」と「絶味」がトップ1、2と言われています。
特に「周黑鴨」はブランディングや海外進出に力を入れていて、日本・池袋にも支店があります。
持ち運びしやすいパック包装で販売されていて、賞味期限もパッケージに明記されていて安心です。
お土産としてもとても人気なので、バラエティセットも売っています。
日本の友達に配って反応を見るのも面白そうですね。
熱乾麺
湖北省と言ったら「熱乾麺」は外せません。
中国4大麺のうちの一つとして全国的にも有名です!
こんなガッツリした見た目ですが、湖北人の朝食に欠かせない一品です。
詳しいお話は是非「【湖北省・朝食編】中国の朝食の都?朝ごはんだけでも30種類以上!」をチェックしてみてください♪ 熱乾麺に限らず、湖北省の名物朝食が丸わかりです。
排骨藕汤(スペアリブと蓮根のスープ)
豊富な水資源を有する湖北省は蓮根の生産量が全国NO.1、なんと中国全土の1/3の供給量を占めています。
新鮮な蓮根が採れるおかげで、湖北省の食卓に蓮根を使った料理が沢山見受けられます。
その中でも有名なのが、「排骨莲藕汤(スペアリブと蓮根のスープ)」です。
蓮根は通常、ほっくりとした糸を引くタイプのものと、シャキシャキした糸を引かないタイプの2種類があるのですが、この料理に使われるのは前者の糸を引くタイプです。
一口サイズに切った豚のスペアリブと蓮根を高圧鍋に入れ、生姜、ネギ、塩胡椒でシンプルに味付けした家庭的な一品です。
シンプルな味付けのお陰でスープは豚の旨みが際立ち、ほっくほくな蓮根をひとかじりするとレースのような繊細な糸が目の前に広がります。豚のスペアリブも簡単に骨が取れるくらいホロホロにほぐれて、味も食感も優しい癒しの料理です。
武昌魚(ダントウボウ)
↑清蒸(あっさり蒸し)武昌鱼
武昌魚(ダントウボウ)は鯉科の淡水魚で、湖北省の梁子湖が原産の魚です。
毛沢東が湖北省を訪れた際、あまりの美味しさに「才饮长沙水、又食武昌鱼」と詠んだ詩のおかげで一躍全国的に有名となりました。
肉厚で脂肪が多く、淡水魚だけれども臭みが少ないので、調理方法によっていくらでも楽しめます。
特に人気なのが「清蒸(あっさり蒸し)」と「红烧(砂糖醤油煮込み)」の2種類の味付けで、
よりお魚の旨みを感じたい方は「清蒸(あっさり蒸し)」を、ご飯が進む味付けがお好みなら「红烧(砂糖醤油煮込み)」を選ぶと良いです。
↑红烧(砂糖醤油煮込み)武昌鱼
沔陽三蒸/粉蒸肉(米粉の蒸し物)
沔陽三蒸とは湖北省・沔陽(ミンヤン、現在は「仙桃」に改名)発祥の料理です。
食材に米粉を満遍なくまぶしてせいろで蒸した食べ物です、家庭でもよく出る一品です。
ちなみに、筆者も自宅で作ってみました「発祥地が諸説紛々、「粉蒸肉」は一体どこの料理?!」気になる方は是非チェックしてみてください♪
沔陽は蒸し料理で有名な都市であり、一口に蒸しと言っても粉蒸、扣蒸、炕蒸、湯蒸、清蒸、炮蒸、醸蒸、包蒸、封蒸、旱蒸など10種類程の蒸し方が存在します。その中でも、粉蒸と扣蒸が1番よく使われる蒸し方です。
三蒸は3つの蒸し物を意味していて、野菜類・肉類・魚類の3つです。具体的にどのお肉、野菜を使うかは自由なのですが、一般的によく使われるのはさつまいも・豚肉・白身魚です。
お肉だけを蒸した一品料理の場合は「粉蒸肉」と呼ぶ。
野菜類・肉類・魚類の3種類を蒸すのを「沔陽三蒸」と呼んでいて、お肉だけを蒸した一品料理の場合は「粉蒸肉」と呼ばれています。
画像にもあるように、お肉の表面にあるつぶつぶしたものが米粉です。日本のスーパーで売られているようなきめ細かい真っ白な米粉ではなく、下の画像のような色んなスパイスが入った少し目の荒いミックス米粉を使います。
蒸す際、キメの荒い米粉が野菜やお肉の水分と蒸気を吸うことでふっくらと膨らみ、素材の美味しさを逃さずキャッチして閉じ込めてくれます。
ミックス米粉にスパイスが入っているので食欲がそそられます。
油を使わないので体に優しいヘルシーで美味しい一品です。
紅菜苔(コウサイタイ)
お肉が入っていないのに…
油とニンニクと塩で炒めただけなのに…
みんなが奪い合う程美味しい野菜と言えば「紅菜苔」です!
紅菜苔は紫色の茎と黄色の花を咲かせる中国特有の野菜です。
この黄色い花、見覚えがある!と思った方、実は菜の花と同じアブラナ科の野菜なのです。
野菜特有の青臭さや辛味など一切なく、マイルドで優しい味です。茎の食感は茹でたアスパラガスのような柔らかい歯応えで子供たちにも大人気です。
ざく切りしてニンニクと塩で炒めるだけの愛され時短料理の一つです。
(空芯菜炒めが好きな方はきっと気に入ると思います♪)
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